今日は、歯科衛生士の仕事を公的に発表されている統計データをもとに年齢ごとの就業者状況について見てみたいと思います。
就業している歯科衛生士の男女比
歯科衛生士といえば、女性というイメージを持つ方が大半であると思われますが、法的にも認められ実際に職務を遂行されている男性の方はおられます。
しかしながら、その数は非常に少なく、(公社)歯科衛生士会が報告した『歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年)』によれば、調査総数(8881名)に占める男性歯科衛生士の割合は0.4%となっています。
*上図は、下記の報告書より抜粋引用
公益社団法人 歯科衛生士会 『歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年3月)』
https://www.jdha.or.jp/pdf/aboutdh/r2-dh_hokoku.pdf
上記、URLよりダウンロードできます。
令和2年度の調査報告では、歯科衛生士の99%が女性で、男性は0.4%である。
歯科衛生士の年齢区分別の就業者数について
上述のような歯科衛生士の男女構成比の現状から、
年齢ごとの就業状況については、女性の場合でみてみます。
利用させてもらう統計データは、厚労省が報告を行っている『衛生行政報告例』です。
衛生行政報告例
引用元
衛生行政報告例は、衛生行政運営の基礎資料を得ることを目的に、精神保健福祉、母体保護等の行政分野について、毎年調べているものです。 公表する結果は、各都道府県、指定都市及び中核市からの報告をもとに集計したもので、「健やか親子21」等に利用されています。
e-Stat(統計で見る日本)
衛生行政報告例 | ファイル – e-Stat 政府統計の総合窓口より
令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/gaikyo.pdf
下のグラフは、令和2年(2020年)、平成22年(2010年)および平成14年(2002年)における衛生行政報告例で示された、およそ10年ごとの歯科衛生士の就業者数割合を年齢階級別に表示したものです。
いずれの年においても、歯科衛生士学校卒業後25歳〜29歳までの就業者数は増加しますが、30〜34歳の間でいったん減少します。
その後の年齢区分のグラフ形態は、直近となる令和2年(2020年)では再び増加し、平成22年(2010年)および平成14年(2002年)のデータでは、ゆるやかに減少するような様相を示しています。
30〜34歳の年齢区分で減少に転ずることは、ご推察のとおり、結婚、出産期を迎えるためと考えられており、歯科衛生士に限らず日本女性の就業者数調査において見られる特有的なパターンになっています。
一般的な女性就業者の年齢区分の人数は、この30〜34歳を過ぎると再び増加に転じ、50歳を過ぎる辺りより再度減少するようになります。この増加は、育児が落ち着き再就職をされるためといわれており、年齢階級全体のグラフの形は英文字の”M”に似ていることから、『M字カーブ』と呼ばれています(下図)。
歯科衛生士の就業者数に戻りますが、直近令和2年(2020年)のデータでは、上記の『M字カーブ』を示していてますが、これは、職場復帰を支援する公的機関、歯科医師会や日本歯科衛生士会等、関係各所の復職支援の動き、個人の働き方の変容等が影響しているものと推察されます。
令和2年度の報告では、就業歯科衛生士の割合は、25歳〜29歳までは増加するが、30〜34歳の年齢区分で減少に転じ、その後、30〜34歳を過ぎると再び増加に転じ、50歳を過ぎる辺りより再度減少するようになった。再度の増加は、育児が落ち着き再就職をするためと推察されている。
クリニックでは、復職、ブランクの方、大歓迎です。
生活と仕事との調和(ライフワークバランス)を図る働き方、職場復帰時の知識・技術の積極的支援を行っています。
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