”守る”ことを患者さまと共有する予防歯科

当クリニックでは、歯科治療の基盤を”予防歯科”としています。

近年、メディアやCMでもよく取り上げられている『予防歯科』

なにを予防するのか?
歯科の2代疾患である虫歯、歯周病は細菌による細菌による感染症であることに間違いありません。

しかしながら、両疾患に関連する細菌がいれば必ず発症するというわけではなく、お口をとりまく環境に大きく影響を受けます。

歯や歯並び・咬み合わせ、歯ぐきの状態はもちろんですが、本来そなわった体の防御能、免疫力や患者さまの食生活、嗜好品、あるいは社会活動を行っていく上での生活習慣やその変化、、年齢や全身的疾患等々が関連し、細菌が活動して発揮される感染力と体を守る力のバランスが崩れたときに発症、症状は増悪します。



歯医者がお口の中をきれいにし、ブラッシングの指導をすれば予防ができる!??

そんな大それた考えは一切持ち合わせていません。
患者さまのお口の予防は歯科医院の力だけでできるわけではありません。
患者さまと2人三脚で行っていかなければということは、30年以上、臨床に携わった中で痛いほどわかっています。

私たちの考える予防歯科は、お口の状況を私たちおよび患者さま共によく把握し、患者さまが疾患の成り立ちを良く理解され、一緒に”守る”力を支えることだと思っています。

セルフケアおよびプロフェッショナルケアによる2人3脚

歯科におけるケアの主目的は、歯やお口の粘膜に付着したバイオフィルム(プラーク、歯垢と同義)の除去、そして再びその付着を防ぐための管理です。

むし歯や歯周病を発現させる細菌はバイオフィルムの中で集落を形成し存在しています。フィルムの細菌の巣はそのままでは、洗口液や薬(抗菌剤)は効果を発揮できず、機械的に破壊、除去することが必要です。

セルフケアは文字通り、患者さまがご自宅で行うブラッシングを始めとするお口の清掃と管理のことで、プロフェッショナルケアは我々歯科サイドが行うケアに関する指導と助言ならびに治療(歯に付着したバイオフィルム、歯石や汚染物質の除去や歯面に汚れが付着しにくくなるよう整える等)のことをいいます。

むし歯、歯周病ともに、発症原因である細菌を他のリスクとなる因子とともに管理することができれば、確実に予防できる疾患です。

100%セルフケアで発症の予防、バイオフィルムの管理、コントロールすることは非常にハードルが高いことです。
我々が行うプロフェッショナルケアがマイナス面を補い、良い状態を保てるようお口の状況を整え、必要なご指導アドバイスを行っていくことで発病を防ぎ、重篤な状態に進行しないことが可能になります。

患者さまのセルフケアと私たちのプロフェッショナルケアの2人3脚で予防は成立します。

メンテナンスケア

メンテナンスケアは、むし歯、歯周病の治療が終わり、再発や新たな発症を防ぐためのお口のケア(セルフケアおよびプロフェッショナルケア)のことを指します。

日本の歯科保険診療制度では、歯周病の治療体系の中で、歯周病安定期治療(SPT:Supportive Periodontal Treatment)という項目が設けられています。
これは、歯周病が完治せずともその後のケアトリートメントにより重篤な状態に進行させないことを指します。

先に述べたように、お口の第一義的なケアはバイオフィルムの除去、管理です。
当クリニックでは、このSPTをメンテナンスケアと同じものとして取り扱っています。

治療の流れ

  1. 主訴の把握と問診(全身的な疾患の有無、服薬、生活習慣等)

    現在抱えておられるお口の中の問題、全身的な疾患の有無や服薬状況、生活習慣等を伺います。

  2. お口の中の診査・検査

    お口の中の診査として、むし歯や修復した歯、歯並びや欠損、歯肉や歯石の付着の状況等を診査します。必要と考えられる場合には、X線検査を行って歯(むし歯の進行具合、修復歯の状態)や歯周病の状況を詳細に診る場合があります。
    また、(ご希望も合わせ)唾液検査を行い、むし歯や歯周病のリスク因子を把握することがあります。

  3. 診査・検査結果の情報共有、疾患予防に対するご説明ならびに生活習慣等へのアドバイス

    診査・検査の結果を見ていただき、現在のお口の状況をご説明します。その際に、歯周病を始めとする疾患の概念や予防法について解説いたします。
    その後、プロフェッショナルケア、セルフケアに関する具体的な治療計画をご提示いたします。
    また、虫歯や歯周病に関連するリスク因子のある患者さまには、リスクに応じたアドバイスを行います。

  4. 患者さまに合わせた清掃法のアドバイス、お口の中のプロフェッショナルケアトリートメント

    患者さまにお口の中の状況をよく把握していただくことより、治療は始まります。
    実際に付着したバイオフィルムや歯石の状況を見ていただくこと(染め出しを行うことがあります)によりセルフケアで難しい部分を確認していただきます。
    患者さまの歯や歯並び、治した歯の修復物の状況により、適切なブラシを含めた清掃器具の選択、また補助的に使用する洗口液等のケア用品をアドバイスいたします。

    ●バイオフィルム、歯石の除去
    診査・検査結果をもとに、バイオフィルムや歯石を除去していきます。
    この除去には、1)超音波やエアー振動による専用機器を利用した方法、2)手用器具による施術方法を用いて行いますが、患者さまによっては器械による振動が不快と感じられる場合があるため、患者さまの状況に合わせて機器や器具の選択を行っています。

    プロフェッショナルケアでは、不快感、痛みをできるだけ避け、汚れを取り除いて、『サッパリした』、『気持ち良かった』というご感想をいただけるようジェントルな施術を心がけています。


    ●PMTC(器械による専門的なトリートメントケア)

    プロフェッショナルケアの最後の仕上げには、新たな汚れ、バイオフィルム、着色等の付着をできるだけ防ぐために、歯の表面についた細かい傷を修復するためのトリートメントケアを行なっています。

    歯の修復に関連する薬剤が配合されたペーストを用いて、やわらかいラバー性の器具により、非常にゆっくりとした回転により丁寧に歯の表面を磨いていきます。
    処置後の歯の表面は舌で触るとツルツルで、明らかにその違いがわかるようになります。

  5. 定期的なプロフェッショナルケア

    定期的な診査、プロフェッショナルケアにより、セルフケアでは困難であった部分の清掃不備を改善することができ、お口の中の良好な環境を継続して得ることができます。また、虫歯や歯周病の発現も早期に見つけることが可能になります。

当クリニックの予防歯科での考え方と治療にあたり

・患者さまのお口の中の診査、検査を行い局所の現状を把握し、これを患者さまと共有する
・疾患の成り立ちを充分に説明し、これを患者さまと共有する
・食生活の状況、患者さまとのお付き合いの中で知り得る生活習慣、お仕事を含めた社会生活とお口の疾患との関連
・現在、かかえておられる全身的な疾患とお口の疾患との関連

QOL向上維持を目指した歯科治療

お口の健康を守り、長い人生におけるQOLをできるだけより良き状態で推移できるお手伝いができればと考えます。

👉 一般診療の流れについてはこちら(当クリニックにおける診療の流れ)をご覧ください。


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