今日も引き続き、江戸時代に用いられた”房楊枝”について記したい。
今一度、復習を兼ねて各部の役割を図示してみた。

 

上図のとおり、現在も用いられている器具名で述べると、①歯ブラシ、②ツースピック(デンタルピック、そして③舌ブラシの用途を持たせたものが兼ね備えられていたといえる。

房楊枝の房、すなわちブラシ毛以外の部分は、いわゆるお口の補助的清掃器具に相当する。

歯面、つまり舌や頬で触れる部分は歯ブラシの毛先があてやすく汚れを落としやすい、清掃が困難な部位は歯と歯の間、すなわち歯間部分である。房楊枝では、この汚れを落とすために、ツースピック形状を持たしていた。また、歯以外の舌の汚れを落とす用途をもたせていたのも驚きである。

歯間部、この部位の清掃には、現在ではデンタルフロス、歯間ブラシ、タフトブラシ等がよく用いられている。

 

特殊なものとして、ウオーターピック(水流による)がある。
しかしながら、現在ではツースピック(デンタルピック)は国内外において、ほとんど使用されていない。
理由は、固い素材では歯ぐきを傷つけやすく、歯垢(プラーク、バイオフィルム)の除去にはあまり有効ではないからである。
唯一、柔らか素材を使用したラバーチップが使用されている。

 

ただ、今から300年も前に、このようなお口の万能清掃道具を使用していたことは、素晴らしく驚嘆に値する。

 

もう少し、掘り下げてみたい。