歯が失われること、本来あるべき歯列の中の歯がない状態、あるいは失われた顎の様相のことを”(歯の)欠損”と呼んでいる。

『上あごの中切歯が欠損している』、『臼歯がすべて欠損している』等の表現をする。
ここでいう、歯は概ね永久歯のことを指す。

”歯が欠損した”
と記すと、おそらくその原因として歯科の2大疾患である『う歯(虫歯)』と『歯周病』を想像される方が多いと思われる。
実際、抜歯にいたった疫学調査の結果をみてもこのことは正しいと思われる。

歯(永久歯)の欠損を広義に捉えた場合には、
1)先天的な歯の欠損、
2)後天的な歯の欠損
があり、既述の疾患による歯の喪失は後天的な欠損として取り扱われる。

永久歯の先天性欠如

先天的な永久歯の欠損は、もともと永久歯が生えていないことを指し、これは永久歯の”先天性欠如(先天欠如)”と呼ばれる。

歯が元々無いと聞いて思い浮かべるのは、おそらく第三大臼歯(智歯)、すなわち”親知らず”であろう。我が国の智歯が元々ない人の割合は30%程度といわれ、日常臨床でも遭遇する機会は多い。

しかしながら、その他の部位における永久歯でも先天的欠損が1割の人(10人に1人)に見られると言われると少々驚きをもって聞かれるかもしれない。

2011年にプレスリリースがされたのでご存じの方もいるかもしれないが、日本小児歯科学会が2007〜2008年にかけ大規模な全国疫学調査を実施した調査結果である。

2007〜2008年 12都道府県で調査を実施
7歳以上の15544名の子供に先天性欠如の状態を調査
先天性欠如は1568人(10.1%)で見られた
男子:9.1%、女子:10.1%

先天性欠如で多かった歯は、下顎の第二小臼歯(歯列中央部から5番目)が最多、次いで側切歯(歯列中央部から2番目)が多かった
歯列の乳歯があるにも関わらず永久歯が欠如している場合が多かった

山崎 要一 、岩崎 智憲 、早崎 治明ほか.日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査.日本小児歯科学雑誌 2010; 48: 29–39

重要となる先天性欠如歯を喪失した際の治療法の情報共有と同意

日常臨床においても、成人になっても乳歯が残存している方は比較的多く遭遇する。
しかしながら、この乳歯は20歳後半を迎えると歯根の吸収をみることが多く、30歳代を超えると喪失する機会が増えると言われる。

下画像は、50歳代男性のX線写真。

患者さまの了解を得てX線写真画像を掲載

『左上の奥歯が抜けたので処置をしてほしい』を主訴に来院される。
お持ちになった歯をみると第二乳臼歯で、お口の中、X線写真をみると上下、左右の第二小臼歯が欠如している状態であった。

乳歯晩期残存の喪失例を鑑みると、非常に長く残存していたことになる。お口の清掃状態は良く、診査の結果から、う歯や歯周病もみられず非常に健常な状態を示されていた。これらのことが、長く残存した要因になったことは想像に難くない。

このような欠損を修復(補綴)する場合には、様々な治療オプションがあり、各々利点と欠点を有することを我々は説明し、患者さまがそのことを充分に理解され同意を得て治療に臨むことが必要となる。

この永久歯の先天欠如、乳歯晩期残存は、お年を召されて乳歯を失われた場合ほど、その治療オプションがクローズアップされて重要になってくる。

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