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ホワイトニング治療は歯を削ることなく,本来の歯のもつ白さを引き出す治療です
いつまでも健康できれいな白い歯でありたいという願いは古今東西変わりません。
笑顔が素敵な人は歯が綺麗であるということからも、歯や口元に美しさを追求するようになってきました。
ホワイトニング治療(以下、ホワイトニング)は、歯を本来の姿に近づける、見た目の美しさを求めた歯科治療です。
ホワイトニング治療とは
ホワイトニングとは、加齢や生活習慣などで黄ばんだ歯を削ることなく白くする治療のことです。1989 年にアメリカで実用化された技術で、専用の薬剤により歯の表面~内部にある色素を分解し、明度を上げることで白くするといわれています。
一般的に歯の「クリーニング」 はエナメル質表面についた歯石や外来性色素を専用のブラシや機器で機械的に落としてきれいにしますが,「ホワイトニング」は薬剤がエナメル質内部に浸透することで白くしていきます。
このように、両者の白さを得る治療目標と手法は異なります 。
ホワイトニングのメカニズム
お口の中で化学分解された酸素基(強いフリーラジカル。ヒドロキシラジカル (OH–) やスーパーオキサイドアニオン (O2–) などの活性酸素)が、エナメル質や象牙質に浸透し、着色部分(有機質)だけに作用する為、象牙質の構造を変える事なく色調を明るくする事ができると考えられています。 原理としては、衣服の漂白作用(過酸化水素漂白)と同様といわれています。
オフィスホワイトニング(後述)では過酸化水素 (35%)を使用し、ホームホワイトニング(後述)では過酸化尿素を使用します。
過酸化水素の分解は早く、すぐに漂白効果はなくなります。
過酸化尿素は約8時間かけて分解して過酸化水素と尿素になり、この過酸化水素がフリーラジカルを発生させます。このため、ゆっくりご自宅で利用可能なホームホワイトニングでよく利用されます。
*参考 Robert E. Goldstein , David A. Garber : Complete Dental Bleaching., Quintessence Pub Co, 1995.
ホワイトニングの種類
ホワイトニングの治療方法には,
- 歯科医院で行うオフィスホワイトニング
- 歯科医師および歯科衛生士の指導のもと自宅で患者さま自身で行うホームホワイトニング
- 上記2つの長所を組み合わせたデュアルホワイトニング
の3種類の方法があります。
当クリニックでは、すべての治療法が可能ですが、後述する痛みなどの不快症状をできるだけ避け、白さを長持ちさせるために基本的にデュアルホワイトニングによりホワイトニングを行っています。
各ホワイトニングの治療方法について
●オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯に専用の薬剤を塗布し,一定波長をもつ光をあてて歯を白くする方法が一般的です。当クリニックでは多数歯を一度に効率よ く照射でき,光源には LED を利用し発熱が少ないとされるホワイトニングライ ト(GC 社)を使用しています。
短時間で歯を白くできるので、即効性のある方法と言えますが、高濃度の薬剤(過酸化水素35%以上)により、歯肉の刺激痛や歯の知覚過敏が起こりやすいのがデメリットとしてあげあられます。
このため、当クリニックでは濃度の低い過酸化水素薬剤(ピレーネ、ニッシン社)により2~3回に分けてオフィスホワイトニングを行っています。
*ピレーネ、ニッシン社について
●ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、自宅で患者さまの歯形に合わせて製作したマウスピースを用い, ホワイトニング用薬剤のジェル(Tionティオン ホーム プラチナ、GC社:当クリニック)を中に流し込み装着することで歯を白くしていく方法です。
歯の白さを実感するには 2 週間以上の時間を要しますが、時間がかかる分、オフィスホワイ トニングより歯や歯ぐきの疼痛の発現が少なく、白さが増し、持続期間も長いという特徴があります。
*Tionティオン ホームプラチナ、GC社について
●デュアルホワイトニング
上記、オフィスホワイトニングとホームワイトニングを組み合わせた方法です。
歯の白さ(明度)をあげ、長持ちするという効果があります。
当クリニックでは、ホワイトニングの基本治療としてこの手法を選択しています。
お口の中の侵襲をできるだけ避けるために、オフィスホワイトニングで使用する薬剤は刺激の少ない低濃度の過酸化水素のものを使用します。
当クリニックでは、ご相談、施術についてホワイトニングコーディネーター(一般社団法人 日本歯科審美学会)の資格を持つ衛生士があたります。
ホワイトニング治療料金
ホワイトニングでよく聞かれる質問
1)治した歯(かぶせや詰め物)は白くなりません。
2)内因性(子供の頃に服用したテトラサイクリン系抗生剤による変色、治療に使用した歯の金属イオンによる変色、加齢に伴いエナメル質が薄くなっている場合等)では、白くならない場合があります。
1)オフィスホワイトニングでは、1〜数回です。ただ、1回で白くするには使用薬剤の濃度が高いものや光照射の光量を上げたものを使用するため、歯の知覚過敏様の痛み、施術時の熱感等の症状が発現しやすいです。
2)ホームホワイトニングでは、一般的な黄ばみなら2〜3週間程度に歯は白くなります。
個人差がありますが、半年〜1年ほどで『後戻り』があります。この場合、タッチアップといってホームホワイトニング用薬剤で再度ホワイトニングを試みると同様の白さを回復させることができます。
オフィスホワイトニングでは、薬剤使用時間が短いため、後戻りが早い傾向にあります。
毎日行えばそれだけ早く効果は出ます。
必ずというわけではありませんが、1週間に4,5日程度使うと充分な白さになります。
コーヒー、紅茶、タバコ等の色素が沈着しやすいものは、治療効果を妨げたり、遅らせることがあります。程度の問題で、あまり気にしなくても良い場合が多いです。
お口の健康を守り、長い人生におけるQOLをできるだけより良き状態で推移できるお手伝いができればと考えます。
→一般診療の流れについてはこちら(当クリニックにおける診療の流れ)をご覧ください。