歯(永久歯)の欠損について

歯(永久歯)が失われること、あるいは失われている状態のことを歯科では『欠損』と呼んでいます。

永久歯の本数は、中切歯〜第二大臼歯までで上下左右合わせて28本、 第三大臼歯(親知らず)も入れると32本あります。


欠損は、この永久歯が1本でも抜ける、あるいは存在していない場合のことを指します。

歯の欠損の様相により、この欠損についても、いくつかの専門的な呼び名があるので下に記していきます。

少数歯欠損と多数歯欠損

少数歯欠損は何本の欠損?多数歯欠損はどのくらいの本数から?と思われるかもしれませんが、明確な定義はありません。慣例的に通常2歯までの欠損は少数歯欠損、3歯以上の場合には多数歯欠損と呼ぶことが多いです。

中間歯欠損と遊離端欠損

これは、歯のない位置(歯列から見た場合は、抜けた形態)による欠損の分類名です。
下図、歯と歯との間の部分の位置が抜けた場合を中間歯欠損(=中間欠損)と呼びます。また、抜けた歯の端に既存の歯が無い場合のことを遊離端欠損(ゆうりたんけっそん)といいます。
なお、この遊離端欠損には左右側で見た場合に、片側のみ、あるいは両側にみられる場合においても分類する名称があり各々、片側遊離端欠損、両側遊離端欠損等の呼び方をされます。

上述、いずれの欠損の分類にも、その治療法において選択において違いが出てきます。
例えば、上図に示す遊離端欠損では歯と歯とをつないで修復するブリッジによる治療はできず、治療法の選択肢は一つ減ることになります。
したがって、この欠損の分類は治療法を考えていく上で重要な指標となります。

さて、上記、歯の欠損様式の違いはその歯の数や抜けた形態によるものでしたが、大前提となる”歯がない”ことは何に起因するかによる分類を最後に示します。

歯の先天性欠損と後天的欠損

歯が欠損している原因を考えると、
1)元来、歯が無い場合(歯の先天性欠損) および2)後天的欠損に分けることができます。

歯の先天性欠損(先天性欠如)

歯(永久歯)が元々生えない、生まれながらにして欠損をしていることがあり、この欠損のことを”(歯の)先天性欠如”と呼んでいます。その原因についは、諸説あり不明なことも多いのが現状です。
当クリニックの本サイトにこのことを記していますので、良ければご参照ください。

歯の後天的欠損

この欠損は、永久歯がもともと生えていて何らかの原因によりそれを失うこと(喪失と表現します)を指します。
この永久歯の喪失原因は、頭に描かれるように”う歯(虫歯)”および”歯周病”によるものが多く、2005年に行われた8020財団の抜歯による原因調査の結果でもこのことが示されました。

抜歯の主原因

●抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折
(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった。

●抜歯の主原因ごとの抜歯数と割合を年齢階級別にみると、う蝕の割合は 40 歳以降減少し、80
歳以降再びやや増加した。歯周病と破折の割合は、35 歳以降で年齢とともに高くなり、60 歳
以降ではほぼ一定であった。
矯正の割合は 20 歳未満で、その他の割合は 20〜30 歳代で、それぞれ他の年齢階級に比べて
多かった。

これまで、”欠損”に焦点をあてて書いてきましたが、残っている歯の位置・状態や形態(歯列において)においてもその後の処置において重要な役割を果たすことがあります。

一概に歯が抜けたので、”○○の処置”というのは早計であることをお伝えしたいと思います。

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